こんにちは!元銀行員ブロガーのはおです。
僕は大学卒業後、4年間地元の地方銀行に勤めていました。4年間の中で支店を2ケ店、本部を1部署経験しました。本部での仕事についてはゆくゆく別の記事で紹介したいと思いますが、支店では3大業務である預金、融資、渉外を1通りを経験させていただきました。
今回は、僕が銀行員時代に経験した支店での仕事について、簡単にではありますがご紹介したいと思います。僕の経験ベースのお話であり、必ずしもどこの銀行、支店でも当てはまるわけではありません。ご了承ください。
得意先係

まず得意先係についてです。
他行では外回りの営業担当者を渉外係と呼ぶところもあるみたいですが、僕のいた銀行は渉外係のことを得意先係という呼び方をしていました。なのでここでは得意先係という呼び方にしておきます。
だいたいほかの同期は1年目の配属時、預金係や融資係など内部の仕事からスタートした人がほとんどなのですが、僕は新入行員の中でも数少ない得意先係スタートの行員でした。4年前になるのでうろ覚えですが、1日の仕事の流れはこのような感じでした。
残業もちらほらありますが、今は時間外労働に対して厳しくなってきているので基本的には早く退行するよう上司から言われます。
以上が1日のおおよそのスケジュールです。
当時は1番下っ端だったので、雑用で集金、郵便局、市役所に行ったりすることが多かったですが、もちろん営業ノルマもしっかり与えられていたので、基本的にこれらの合間の時間に消費者ローン、クレジットカード、積立定期、投資信託等のリテール営業をしていました。その時のお客さんとのアポイントとか状況によって1日のスケジュールは臨機応変に変える必要がありました。
具体的には、消費者ローンの見込み先に電話セールスしたり、定期預金の満期が近いお客さんにテレアポして訪問したりしていました。僕は営業のスキルは全然なく、上司の方たちと比べると営業活動に専念できる時間も少なかったので、お昼の警備中に来店したお客さんに名刺と商品パンフレットを配って営業とかもしていました。
やはり1年目で得意先だった頃は銀行員生活4年間を振り返ってもかなり大変でした…。
支店内部の仕事であれば分からないことがあればその場にいる人に聞くことができますが、外回りしていると簡単には確認ができません。事前に勉強、準備をしてわかるようにしておくか、最悪社用携帯で内部の人に確認する必要があります。この商品の受付にはこの書類が必要で、この書類はここに印鑑をもらう必要があって、このようなフローを経て処理されていく等、預金や融資の内部事務が分かっていたほうがこのあたりはスムーズにできたと思います。
営業実績もなかなかあげられず、ミーティングで詰められることも多々ありました。この時はほぼ戦力になってなかったですね…。銀行の大変さ、営業の厳しさを学びました。
預金係
最初の支店で得意先係を8か月担当した後、ジョブローテーションで預金係を担当しました。
基本的に朝9:00の開店迄の業務は変わりありませんが、9:00~15:00の営業時間中は預金の窓口受付か後方事務をしていました。主な仕事内容は以下の通りです。
- 窓口にて預金の入出金、新規口座開設、振込、税金納付等の受付
- 後方にて通帳新規作成、住所・名義変更等
- 貸金庫受付
- 資産運用の案内
これらの受付、案内をしながら預金窓口でも営業をします。
銀行って窓口の仕事だけ見ると少し公務員と似ていると思う人もいるかもしれませんが、支店行員は得意先係でなくても営業ノルマがきちんと与えられ、営業をしなければなりません。窓口で笑顔をふりまきながらお客さんの対応している女性行員も、実は営業をしているのです。
具体的にどうしているのかというと…
窓口に入出金しにきたお客さんがいたら、お預かりした通帳の残高や取引内容を確認。高額の預金がある方には、「いつもお預けいただきありがとうございます。こちらのご預金は何か使われるご予定がなどございますか。」と聞き、定期預金や資産運用の話などに繋げます。
普通預金口座を開設しにきたお客さんがいたら、「入出金の明細が確認できる銀行の無料アプリを登録されませんか。」とか「キャッシュカードをクレジット機能付きのものにされませんか。」と複合セールスをします。
また、毎年5月の自動車税の納税の時期などは、窓口に税金納付しにきたお客さんに「車の買い替えや車検のご予定はありませんか。」とマイカーローンのパンフレットを配ったりします。
このように窓口に来るお客さんにもアンテナを張っていると、いろんなところにビジネスチャンスが転がっているわけです。自分が商品内容などうまく話せないときは、詳しい営業担当者にトスアップしてもOK。支店全体で目標達成を目指すという感じです。
そして15:00に閉店すると、そこから預金の勘定や税金、本部へメール便で送る書類など各種精査・締め作業があります。
銀行員は15:00に窓口が閉まってすぐ帰れるわけではありません。むしろ閉店後の仕事が大変です。何時までにこの締め作業をしないといけないとか、何時にメール便の車が来るのでそれまでに発送準備しないといけないとか、かなりバタバタします。だいたいこれが16:00前までかかりましたね。
その後、翌営業日の準備をします。具体的には、支店ロビー内やATMコーナーの整理、日付印の日付変更、得意先係が翌日外回り時に持ち出す郵便物や市役所への日報などの準備をしていました。
それから抱えている事務仕事や片付けをして17:30終業、といったところでしょうか。
預金係は各種事務処理を覚えるのがかなり大変でした。失敗も多くて先輩行員やパートさんにご迷惑おかけしてた記憶しかないですね…。
融資係
最初の支店で得意先と預金係を1年半経験した後、僕は人事異動で本部へ異動になりました。本部の仕事は2年間経験しましたが、それについてはゆくゆく別の記事で書きたいと思います。
それから僕が現場に復帰したのは入行して3年半後、なんと銀行の本店営業部でした。なぜ自分が花形の本店営業部に呼ばれたんだろうと、最初はかなり驚きました。
異動の直前に、異動先の本店の課長と面談をさせていただく機会がありました。その際に本店の仕事について説明を受け、過去の経歴や希望する仕事について聞かれました。当時は入行4年目で、同期の多くはバリバリ得意先係で活躍していました。自分も本来であれば得意先係をやるべきだったと思うのですが、本部での2年間のブランクがあり、最初の支店のときも融資係を経験したことがなかったため、課長に配慮していただき、融資係(個人営業課・個人ローン担当)をさせていただくことになりました。
このあたりはわりと記憶が新しいのですが、融資係の仕事はこんな感じでした。
基本的には定時退行するよう言われますが、電話セールスのため週2回ほど曜日を決めて残業することもありました。その分ほかの曜日に早帰りして調整していました。
以上が融資係担当時の仕事内容です。
ここでも行員の仕事は営業であることに変わりありません。
ローンの申込受付はもちろん、複合セールスでクレジットカードやアプリ登録、預金残高がある方には資産運用の案内などを行います。ロビーに出てパンフレット配りながら案内することもありました。ちなみに僕は銀行アプリの推進担当の係もしていて、窓口に来た人にはとにかくアプリ登録のご案内をしまくっていました。
融資係は、必ずしも営業部の数字に繋がるようなローンの受付だけではなく、ローンの返済、自己破産・債務整理等の顧客の管理・対応など、どちらかというとネガティブな内容の仕事もあります。
個人的にきつかったのは住宅ローンですね。
僕は最初の支店では住宅ローンの推進や事務の経験がなく、本部でも住宅ローンとは関係ない仕事を2年間していたので、4年目で本店にきたときは全く分からない状態でした。
ローンの相談を受けてから事前審査、正式申込、金消契約、実行迄のスパンが長く、事務量が膨大な上、お客さん以外にも、銀行本部や保証会社、ハウスメーカーや建築の業者、司法書士など様々な人とやり取りをしないといけないので、かなりプレッシャーでした。
まとめ
以上が僕が経験した銀行の支店での仕事内容になります。どのような係になったとしても基本は営業であることに変わりはありません。銀行は「株式会社」なので収益をあげないといけません。
今回の話はあくまで僕が経験した仕事についての話なので、銀行や支店によって同じ係でも微妙に仕事の中身が変わってきます。これから銀行に入行を考えている人や、入行したばかりの新入行員の人たちに少しでもイメージが伝わっていれば嬉しいです。
もし質問等ございましたら、お問い合わせページから募集しますので是非よろしくお願いします。
今後も、銀行の本部での勤務経験や銀行で大変だったこと、銀行を退職した理由など銀行についての記事を書いていきたいと思いますので、是非チェックしてくださいね♪
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